スタートタイミング(ST)の見方と重要性
目次
スタートタイミング(ST)とは?
ボートレースのスタート方式は、陸上競技やモータースポーツとは大きく異なります。「フライングスタート方式」と呼ばれる独特のスタート方式が採用されており、大時計がカウントダウンを始めてから、0秒〜1秒の間にスタートラインを通過しなければなりません。
スタートタイミング(ST)とは、大時計が0秒を示した瞬間からスタートラインを通過するまでの時間です。単位は秒で、STが0.10秒であれば「大時計が0秒を指してから0.10秒後にスタートラインを通過した」ことを意味します。
STは小さいほど「早いスタートを切れた」ことを意味し、0.01秒〜0.05秒のSTは「絶好のスタート」と言えます。平均的なSTは0.13〜0.18秒程度で、0.20秒を超えると「やや遅い」、0.30秒以上は「かなり出遅れた」という評価になります。
フライング(F)と出遅れ(L)
ボートレースのスタートには厳格なルールがあります。0秒より前にスタートラインを通過してしまうと「フライング(F)」、1秒を過ぎてもスタートラインを通過できないと「出遅れ(L)」となります。
フライング(F)のペナルティ
フライングを犯した選手は即座にレースから除外されます。さらに、フライングした選手に関する舟券は全額返還されるため、的中舟券の配当が変動することがあります。
選手にとってフライングのペナルティは非常に重く、1回のフライングで30日間の出場停止、期間中に2回目のフライングがあれば60日間の出場停止となります。この「フライング休み」は選手の収入に直結するため、フライング歴のある選手はスタートが慎重になる(深くなる)傾向があります。
出遅れ(L)のペナルティ
1秒以上遅れてスタートラインを通過すると出遅れとなり、フライングと同様にレースから除外されます。出遅れも舟券の返還対象です。出遅れのペナルティもフライングと同等で、選手にとっては大きな痛手です。
ただし実際のレースで出遅れが発生する頻度はフライングよりも低いです。多くの選手は「遅れるよりはギリギリを攻める」姿勢でスタートに臨んでいます。
平均STの見方と活用法
出走表やボートレース公式サイトには、各選手の「平均ST」が掲載されています。これは直近の一定期間におけるスタートタイミングの平均値で、その選手のスタートの「クセ」を知る重要な指標です。
平均STが早い選手(0.12秒以下)
スタートが早い選手は「スタート巧者」と呼ばれます。平均STが0.12秒以下の選手は、助走距離が短いスロースタート(1〜3コース)でもしっかりとスタートを決められる技術を持っています。特にインコースの選手の平均STが早い場合、1マークまでのリードを確保しやすく、逃げが決まる確率が高まります。
また、ダッシュスタート(4〜6コース)の選手が早いSTを持っている場合、スタートでインの選手を凌駕し、一気にまくりを決める展開が期待できます。
平均STが遅い選手(0.20秒以上)
平均STが0.20秒以上の選手は「スタートが深い(遅い)」と評価されます。こうした選手が1コースに入ると、たとえインコースの有利があっても、外の選手にスタートで先行されてまくられるリスクがあります。
ただし、スタートが遅くても「差し」の技術が高い選手は、1マーク旋回時に内側をコンパクトに回って好位置を確保できることがあります。STだけで選手の実力を判断するのは早計です。
フライング持ちの選手
直近でフライングを犯している選手は「F持ち」と呼ばれ、予想において重要なファクターとなります。F持ちの選手は次のフライングで長期出場停止になるため、スタートが慎重になりがちです。特にSG(スペシャルグレード)やG1レースの直前にF持ちの選手は、リスクを避けて深めのスタートを切ることが多いです。
F持ちの選手が1コースに入ったレースは、スタートで他艇に先行されて波乱が起きやすくなります。出走表のフライング欄は必ず確認しましょう。
コース別のスタート特性
ボートレースではコース(枠番ではなく実際のスタート位置)によってスタートの特性が大きく異なります。
1〜3コースは「スロースタート」と呼ばれ、スタートラインに近い位置から助走します。助走距離が短いため、トップスピードに達する前にスタートラインを通過します。しかし1マークまでの距離が近いというメリットがあり、先行してターンに入れます。
4〜6コースは「ダッシュスタート」と呼ばれ、スタートラインから離れた位置から助走します。十分な助走距離があるためスタート時のスピードはスローよりも速くなりますが、1マークまでの距離が遠いというデメリットがあります。
このスロー対ダッシュの構図がボートレースの展開を生み出す根本的な要素です。スタートタイミングが揃った場合、ダッシュ勢はスピードで上回るものの、1マークまでの距離で不利を負います。逆にスロー勢がスタートで遅れると、ダッシュ勢にスピード差で一気にまくられる展開になります。
スタート展示でSTを予測する
レース本番前に行われるスタート展示では、各選手のスタートタイミングを確認できます。スタート展示のSTが早い選手は本番でも早いスタートを切る可能性が高いと言えますが、完全に信頼できるわけではありません。
スタート展示では本番と異なるコースに入る選手や、意図的にスタートを調整する選手もいます。展示と本番でスタートが全く変わることも珍しくないため、展示STは参考程度にとどめ、選手の平均STやフライング歴と合わせて総合的に判断しましょう。
スタートタイミングはボートレース予想の根幹をなす要素の一つです。STが0.01秒速いだけで展開が大きく変わることもあります。各選手のSTデータをしっかり分析し、レースの展開を読む力を養いましょう。当サイトのシミュレーターではスタートタイミングを考慮した展開予測も行えますので、ぜひ活用してください。